29歳の若造がザルツブルクで教わった,本当の品格

7月からオーストリアで行われているザルツブルク音楽祭
今月のピクミンブルームは,それにちなんで,「クラシック音楽祭」イベントが開催されています.

negiは30年ほど前,ザルツブルクの街を訪れたことがあります.
「塩の砦」というその名前の通り,岩塩坑を歩いたときは,靴のつま先が白く粉を吹いていたのをよく覚えています.

自分では何の楽器も演奏できないくせに,クラシックを聴くのは大好きでした.
特にモーツァルトがお気に入りで,ケッヘル番号(モーツァルトの作品を時系列に並べた番号)順に聴き込んでいたものです.

写真の黄色い建物は,モーツァルトの生家
念願叶って,ようやく訪れることができました.

思えばこの頃から黄色が好きだったようで,一時期は黄色いフランス車に乗っていたこともあります.
本国仕様のルノー車でしたが,あまりにも故障が多く,手放すことになりました.

果敢にも予約なしでウィーン国立歌劇場を訪れ,交渉の末,当日券を手に入れました.
ただ,「ヨーロッパなら英語が通じるだろう」という甘い考えは,早々に打ち砕かれることになります.

歌劇場の案内受付などフォーマルな場所では英語が通じるものの,警備員さんや年配の方には通じないこともしばしば.
正規のチケットを手に列に並んでいたところ,「お前はダメだ,帰れ」とでも言いたげな勢いで,ドイツ語をまくし立てられ困り果てました.

最後は半ばやけくそで,身振り手振りを交えながら,「ビッテ(bitte)」を繰り返すのみ.
旅行中,いったい何度「ビッテ!ビッテ!」と連呼したことでしょう.

ドイツ語の「bitte」は,「どうぞ」「お願いします」「どういたしまして」など,何にでも使える便利な言葉です.
英語でいう「please」にあたります.

笑顔ビッテさえあれば,オーストリアは何とかなる.
そんなノリで旅を続けていました.

国立歌劇場で観たのは「フィガロの結婚」
聴き慣れた序曲が流れ始めた瞬間,一気にテンションが上がったのを覚えています.

本場のオペラを鑑賞し,すっかり舞い上がったnegiは,同じホテルに泊まっていた日本人の方に,得意げにその感動を語りました.
とても上品な,年配のご婦人でした.

すると,穏やかな口調でこう問い返されたのです.
「で,フィガロは誰が演じたの?」

……失礼しました.
素人丸出しのnegiは,ウィーン国立歌劇場でオペラを観たという事実だけで,すっかり満足していたのです.

旅慣れたご様子のそのご婦人は,知識も経験も豊富そうなのに,物腰は驚くほど謙虚でがありました.
知ったかぶりをしていた29歳の若造は,穴があったら入りたいほど恥ずかしくなりました.

このときの短いやり取りは,negiの人生でも忘れ得ない記憶のひとつです.
自分も歳を重ねたら,あの方のような風格を身につけたいものだと,その時,思いました.

あれから30年あまり.
negiも,あのご婦人と同じくらいの年になりました.

はたして,あの日感じたような知性が滲み出ているかというと……,まったくです.

丙午生まれの60歳negi,還暦を機に出直しです.
2周目の60年へ突入し,もっと自分を磨いて,品格のある老紳士になれるよう,日々精進していきます.

さて,7月も残すところあと3日となりました.
ピクミンブルームの「クラシック音楽祭」イベントも,いよいよラストスパートです.

一通りのお題はクリアしましたので,賑やかになったミニチュア楽器デコピクミン軍団を引き連れて,最後まで元気に歩き切りたいと思います.

ありがとう,ザルツブルク!
塩で粉を吹いたあの靴はどこかへいっちゃったけれど,また必ず訪れるよ.

■本日の記録
・イオンモール東浦
・1,132mコース × 7周
 (所要時間:1時間27分8秒)
・13,070歩
 (イオンウォーキング含む1日の合計)
・ピクミンブルーム進捗
 Lv103 累計歩数:11,952,116歩